自然科学研究機構 国立天文台

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皆既月食(2018年1月31日)

赤銅色に染まる月を見よう

2018年1月31日に、日本全国で部分食の始めから終わりまでを見ることのできる、たいへん条件のよい皆既月食が起こります。

月は20時48分に欠け始め、21時51分には完全に欠けて皆既食となります。皆既食が1時間17分続いた後、23時8分には輝きが戻り始め、真夜中を過ぎた0時12分に元の丸い形となります。
多くの方にとって比較的観察しやすい時刻に起こる月食です。

詳しい時刻は以下の表をご覧ください。(日本中どこで見ても時刻は変わりません。)

部分食の始め1月31日20時48.1分
皆既食の始め21時51.4分
食の最大(食分22時29.8分(1.321)
皆既食の終わり23時08.3分
部分食の終わり2月1日0時11.5分

「食分」とは欠け具合を表す数値です。食分0.5とは、月の見かけの直径の50パーセントが欠けることを意味します。食分が1.0以上になると、月が完全に欠けて皆既食となります。 表へ戻る

皆既食中の月は、真っ暗になって見えなくなるわけではなく、「赤銅(しゃくどう)色」と呼ばれる赤黒い色になります。普段見ることのない神秘的な色になる月を楽しみましょう。

月食中の月の位置については以下をご覧ください。

2018年1月31日の皆既月食について月食中の月の位置を示した図
画像サイズ:中解像度(2000 x 1265) 高解像度(5500 x 3480)

各地での月食中の月の位置や欠ける方向は、暦計算室の「月食各地予報」で調べることができます。

前回、次回の月食

前回日本で見ることのできた皆既月食は2015年4月4日に起こりました。このときも、日本全国で部分食の始めから終わりまでを観察できる現象でした。ただし、皆既食の継続時間はわずか12分間と、今回よりもかなり短いものでした。
次回日本で見ることができる皆既月食は2018年7月28日に起こります。おおよそ東北地方以西で皆既食を見ることができ、月は皆既食のまま沈みます。それ以外の地域では、月は皆既食になる前に沈みます。
皆既月食のうち、次に日本全国で部分食の始めから終わりまでを見ることができるものは、2022年11月8日に起こります。

2001年から2030年までの月食については、暦計算室の「月食各地予報」で調べることができます。

皆既月食の起こるしくみ

月食は、月が地球の影に入ることによって起こります。月が地球の影に完全に入り込む月食のことを「皆既月食」と呼びます。

月食についての詳しい説明は、月食の基礎知識の「月食とは」をご覧ください。

今回の月食で、地球の影に対する月の動きを示したのが以下の図です。

地球の影に対する月の動きを示した図
この図は、北極星の近くにある「天の北極」を上にして描かれています。実際の月の見え方に合わせる場合には、天の北極の方向に合わせて、図を傾けてください。
画像サイズ:中解像度(2000 x 1265) 高解像度(5500 x 3480)

皆既月食の観察

月食は肉眼で十分観察できますが、双眼鏡や望遠鏡を使うとより鮮明に観察できます。

月食はただ眺めているだけでも楽しい天文現象ですが、観察した結果を残したり、月のスケッチを取ったり、あるいは写真を撮ったりすると、あとになって月食の様子を振り返るためのよい記録となるでしょう。

またあまり知られていませんが、部分食が始まる前や終わった後には、月が半影(はんえい)と呼ばれる地球の薄い影の中に入った状態となります。これを「半影食」と呼びます。肉眼ではなかなかわかりづらい現象ですが、露出を抑えた写真を撮影するとはっきりわかります。

それから、月食そのものを観察するのではなく、皆既中の星空を観察するという楽しみ方もあります。皆既食が始まる頃、それまで明るい月の光に隠されていた星たちがはっきりと姿を見せるようになる様子は、とても興味深い光景です。

月食の観察についての詳しい説明は月食の基礎知識の「月食の観察のしかた」をご覧ください。

キャンペーン

国立天文台では、この皆既月食をより多くの方に楽しんでいただけるよう、「皆既月食を観察しよう 2018」キャンペーンをおこないます。詳しい情報は、キャンペーンサイトをご覧ください。

皆既月食を観察しよう 2018 キャンペーンサイトの画像
「皆既月食を観察しよう 2018」キャンペーンサイト